第21章 メンツのために生き地獄を見る

松田毅はその場にふんぞり返り、胸を張ったまま、咲子の拳を待ち受けた。侮るような笑みまで浮かべて。

咲子の拳が、一直線に松田毅へ飛ぶ。

「ゴキッ……」

拳が腹へめり込んだ瞬間、乾いた音が響いた。

やけに澄んだ、嫌なほどはっきりした音。

ついさっきまで余裕ぶっていた松田毅の笑みは、次の瞬間、顔に貼りついたまま凍りつく。

そして――そのまま、どさりとしゃがみ込んだ。

咲子は細身で、いかにも華奢に見える。だが、その力は常識外れだった。

今の一撃も、見た目だけなら軽く当てた程度。なのに実際は、少なく見積もっても数百キロ級の衝撃。

腹のあたりの肋骨が一本、容赦なく折れ、内臓までぐしゃり...

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